ステロイド剤によくある副作用の誤解

アトピー性皮膚炎の治療薬として皮膚の炎症を抑える目的で使われるのがステロイド剤です。成人型アトピー性皮膚炎の治療においても中心となる外用薬になります。

ステロイドは体内にある副腎皮質ホルモンと同じ働きをするもので炎症や過剰になった免疫反応を抑えるという作用があります。非常に効果のある薬ですが、その反面、副作用もきついということでも有名で「ステロイド=悪」というイメージを持っている人もいると思います。

実は私もその一人。

ただ、このステロイド=悪というイメージの擦り込みは1980年代後半にマスコミを中心に繰り広げられたステロイドにかんする偏向報道による影響だそうです。

本来、ステロイドというのは熟練した皮膚科医の指導の下、指示されたとおりに使用すれば副作用を出さずに効果を十分に引き出すことが可能というものなんだそうです。

どんな薬剤にも副作用はあります。皮膚が薄くなるとか、血管が浮いてくるといった副作用がステロイドにあるのは間違いありませんが、塗布する場所、量、期間、強さを考えてステロイド剤を上手く処方してもらえれば問題が起こる確率は大幅に下げることができます。

以前は薬の処方や使い方については医師の裁量によるところも多く、名医とヤブ医者が分かれるところでしたが、最近は、TARC検査というものもあり、数値でアトピー性皮膚炎を把握できるようになっているので、どの医者でも副作用を最小限にとどめて薬剤を使いこなすかができます。

他にもよくあるステロイド剤によくある副作用の誤解を解いておくと、

    肌が黒くなる
    ⇒肌をかく刺激や摩擦によってメラニン色素がつくられるのが黒ずみの原因であって、ステロイド剤を使ったことで肌が黒くなるということはありません。

    皮膚が薄くなる
    ⇒強いステロイド剤を長期間続けた場合は注意。塗り薬より飲み薬のほうが影響は大きいです。ただこれもTARC検査で数値をみながら薬の強さを調整すれば防げます。

    リバウンドする
    ⇒薬を使う量が不十分だったり、自己判断で勝手に薬の使用を中止するなどをするとリバウンドします。自己判断せずに医師の指示通り薬を使えばこれもまた防げる副作用です。

    成分が体内にたまる
    ⇒成分が蓄積されることはありません。

その昔、ステロイド剤の副作用が叩かれたときも、ステロイド外用剤を薬局で買い求め、化粧の下地に使っていたとか、医師の指示を守って使っていなかったとか、そもそもステロイド剤の使い方を熟知していないヤブ医師が処方していたということが原因だったみたいです。

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